2014年に世界遺産に登録された、富岡製糸場ですが、実は、明治時代においては超高待遇の職場だったそうです。
実際に行って分かった富岡製糸場の見学のコツや、周辺のお店をご紹介します。
それでは、さっそくみていきましょう。
世界遺産・国宝の富岡製糸場に、いざ訪問。
生糸の価格低下により、閉鎖された富岡製糸場は、日本初の本格的な器械製糸の工場であり、2014年に世界遺産に登録されました。かつては官営模範工場の1つとして操業を開始し、のちに持ち主が三井、原、片倉と変わり、2005年に富岡市に寄贈され、現在は、富岡市が管理しています。
持ち主が変わっても、明治時代から変わらない姿の富岡製糸場に、いざご訪問。
入り口を入ったすぐ左側に、無料で写真を撮影してくれるスポットがあります。こちら、帰りに写真1枚だけプレゼントしてくれ、その写真が気に入ったら、大きな写真は購入してね、というもの。1枚は無料なので、記念に写真撮影してもらいましょう。
さて、ここから見学がスタートです。
参加しないと損!富岡製糸場見学、解説員によるガイドツアー
富岡製糸場の見学方法は、解説員によるガイドツアー(200円)、音声ガイドによる案内(200円)、スマートフォンのQRコードによる案内(無料)があります。
しかし、富岡製糸場は、非常に広く、建物自体が国宝となっているわりに、各建物の立て札はさっぱりした説明なので、ガイドツアーに参加しないと、面白みが半減する可能性があります。ぜひ、時間をあわせて解説員によるガイドツアーに参加することをおすすめします。
●解説ガイドツアー開始時刻
【午前】09時30分/10時/10時30分/11時/11時30分
【午後】12時/13時/13時30分/14時/14時30分/15時/15時30分/16時
※午後4時は4月~10月のみ
※所要時間40分
片耳のイヤホンが渡されるので、離れていても、解説員の声が聞こえます。
主要な見所は、40分程度である程度回ってくれます。まず、東置繭所から。こちら、非常に窓が多いのは、建設当時の明治時代は当然、電気がなかったため、窓から光を採るためとのこと。
2014年に世界遺産に登録された、富岡製糸場ですが、実は国宝でもあるという事を知らない方は、多いのではないでしょうか。富岡製糸場の木骨レンガ造の建物である「繰糸所」「東置繭所」「西置繭所」の3棟は、国宝に認定されています。なお、建築材は全て地元のもの。
この富岡製糸場では、「東置繭所」には、32トンの繭が格納され、「西置繭所」にも同様に32トンの繭が格納されているため、合計64トンの繭が格納可能です。
繰糸所は、大黒柱がない、トラス方式。昔の日本の建築技法では、大黒柱が必須であったため、当時にしては画期的だった様子。
ガイドさんは、要所要所で解説をしてくれます。
なお、富岡製糸場が近代化に非常に貢献したといわれる所以は、フランス等、海外諸国に比べ、100年は遅れている文化の中で、生糸ができることによって、お金が生まれ軍艦等が購入できるようになったことに加え、世界最大の工場といわれ、ここで働いて知識を得た工女さんが、3年程度で地元に戻り、地方の養蚕の指導者になり、結果、全国に養蚕工場がいっぱいでき、いい循環が生まれたことによります。
なお、富岡製糸場内には、診療所もあります。当時の工女さんの待遇は、当時にしては、フランス式の労働条件を適応したため、100年遅れている日本の中では超高待遇。七曜制の導入と、毎週日曜休み、月給1.000円、毎日お風呂の入浴も可能。三食白米、魚に味噌汁付き。診療所もタダで利用OK、かつ薬代や診療費も工場負担。これだけ条件がよければ、こぞって応募するかと思いきや、採用試験などはなく、藩から推薦された氏族の娘のみが働ける職場だったそうです。
当時の人々の人間味が感じられる程、非常に面白く解説してくれるので、あっという間に40分は過ぎていきました。
フランス人指導者、ブリューナの家、ブリュナ館。こちらには、4人家族と召使い(清掃とコック)が住んでいた様子。ワイン用の地下室があり、春には桜を見ながらワインを楽しんだとか。
最後に「きいてみたいことは?」と、質問も受け付けてくれます。富岡製糸場が、戦争被害を免れた理由は、アメリカ軍が戦後に工場として利用したかったからとのこと。こういった話は、解説員つきガイドツアーでないと、聞けません。せっかくの世界遺産、知識と一緒に味わってみてください。
富岡製糸場のちょっと得するチケット購入方法は?
入場券は、通常、大人1.000円ですが、富岡製糸場周辺には、入場券を購入すると、ちょっとしたおまけをしてくれるというお店がちらほらあります。
例えば、富岡製糸場の正門に通じる道にある、信州屋。
こちらでは、富岡製糸場の入場券を購入すると、絶品の和風絹しゅうまいを1つもらえます。これにつられて、私たちはこちらのお店で入場券を購入。
しゅうまいは店内で食べられます。店内に、からしと醤油も置いてあります。絹しゅうまいというだけあって、とろとろとなめらかで、口の中で溶けていき、しゅうまいの余韻だけ残る、非常においしいしゅうまいでした。
お肉や玉ねぎがしっかりした、プリプリする食感の中華のしゅうまいとは、全くの別物です。一度、おためしあれ。
なお、たくさん取材されているようで、店内には有名人の写真がいっぱい。
また、無料駐車場から富岡製糸場に行く途中にある、土屋魚店でも、富岡製糸場のチケットを1,000円で購入すると、ホルモン揚げを1本もらえます。
ちなみに、富岡の名物B級グルメ、ホルモン揚げですが、中身はちくわです。土屋魚店の店員のお姉さんいわく、もともとはホルモンを揚げていたとのこと。
ほかにも、入場券購入で150円キャッシュバックなんていうお店もあったので、富岡製糸場周辺のお店の張り紙には、要注目です。
富岡製糸場周辺の無料駐車場は?
駐車場は、富岡製糸場に近づけば近くほど、駐車場代が高くなります。富岡製糸場のすぐ近くとなると、20分100円なんてものも。都心の駐車場と同レベルの価格。しかし、富岡製糸場の案内看板通りに進むと、ちゃんと無料駐車場は存在します。お金はかかるが、歩かなくてすむ、利便性をとるか、少し歩くけれども、無料で利用できるお得感をとるかですね。
個人的には、町歩きの楽しさもあったので、少し歩く無料駐車場で十分だと思いました。無料駐車場では、街中おもしろマップと称された、街歩き地図をもらえます。
無料駐車場から富岡製糸場までの必見食べ歩きスポットは?
無料駐車場から、富岡製糸場の道の途中の、富岡製糸場近道という看板の先にある岡重肉店の揚げ物は、まさに食べ歩きにぴったり。
地元の中高生から大人気のお店だそうで、全体的に安くてボリューム満点。
なお、こちらの近道からいくと、先程紹介した、土屋魚店や信州屋は通りません。行きはマップ通り、帰りはこちらの近道を通ると、いろんなお店を通ることができます。
「富岡小学校6年生 人気ランキング」や「富岡西中柔道部 人気ランキング」など、地元の子供達が選ぶメニューランキングがお店の右側に貼ってあるので、メニューに迷ったら参考にするのがおすすめです。
今回、各おすすめランキングの上位に散見される、竜田揚げを購入しましたが、注文後にラードで揚げてくれるので、少し待ちますが、本当にあつあつサクサクでおいしい!
なお、こちらのお店で「富岡名物 まゆコロッケ」というものがありますが、シルクが入っている?かと思いきや、どうやら形だけとのこと。
メニュー開発当初は、近くのレストランにレシピを聞き、実際にシルクをいれてみたそうなのですが、シルクの味はいまいちわからず・・・お客さんが中高生が多いから、どうせシルクの味がわからないのに、高いシルクを入れて値段を上げるよりも、形で十分と判断されたそうです(笑)まちがいない。
富岡製糸場そのものも非常に魅力がありましたが、周辺のお店はどこも、本当にキャラが濃い方々ばかりでした。世界遺産とともに、その場を盛り上げるお店も、ぜひ楽しんでください!