仕事で、思っていることが伝わらない。企画が通らない。説得できない。そんなことありませんか?
私は、上司からの、「伝え方が問題だ」とのご指摘を受け、併せて、ベストセラーとなった名著「伝え方が9割」を紹介されました。
それでも、活字の本を買ったがいいが、全く読む気にならず、それではまずいと、こちら、「まんがでわかる 伝え方が9割」を購入。さらっと読めましたので、備忘録をかねて紹介します。
「まんがでわかる 伝え方が9割」について
コピーライター、佐々木圭一さんのベストセラー「伝え方が9割」のまんが版です。
仕事も恋愛もダメダメな女性編集者が、伝え方を学び、日々取り入れていくなかで、次第に結果が出始めていくというストーリー。仕事をしている人にとって、このストーリーラインの中での、伝え方の技法の説明は、イメージがつくシチュエーションも多いことから、すんなり入ってくるのではないでしょうか。
この本では、大きく、2つの技術を教えてくれます。
- 「ノー」を「イエス」に変える技術
- 「強いコトバ」を作る技術
それぞれ、見ていきましょう。
「ノー」を「イエス」に変える技術。
「ノー」とおそらく回答がくる質問も、言い方次第で「イエス」に変えることができます。
「イエス」に変える3つのステップ
「ノー」を「イエス」に変えるための、大切な3つのステップが存在します。こちら、意識して、今日から思ったことをそのまま口にするのは止めましょう。
step
1自分の頭の中をそのままコトバにしない
なんでもストレートに伝えることは、ギャンブルと一緒。自分の求めること、頭の中に浮かんだことをそのまま口にしてきたのが今までだとしたら、これからは、口に出す前に、一度立ち止まって考えましょう。
step
2相手の頭の中を想像する
グッと、思ったことをそのまま口にするのを堪え、お願いに相手がどう考えるか、普段相手は何を考えているか、相手の頭の中を想像します。
例:私はデートしたい。彼氏はラーメンが好き。デートは面倒くさい。
step
3相手のメリットと一致するお願いをつくる
相手の頭の中をもとに、言葉を作ります。つまり、相手のメリットを考え、相手のメリットと一致するお願いをつくり、伝えます。
例;彼氏を美味しいラーメン屋に誘う。結果、デートも実現できる。
「イエス」に変える「7つの切り口」
「ノー」を「イエス」に変える、伝え方の技術は「7つの切り口」に分けることができます。それぞれご紹介します。
なお、これらの技術は併せて使うこともでき、より効果的になります。
① 相手の好きなこと
文字通り、相手の好きなことから言葉をつくる方法です。
例えば、「デートをしてください」であると、自分の要求のみを伝えているのでNGになる可能性が高いですが、ラーメン好きな彼氏に「美味しいラーメン屋に行きましょう」であれば、相手にもメリットがあるのでOKになる可能性が上がります。
仕事でいうと、締切に課題の提出が間に合わないとき、上司に「クオリティを上げたいので、粘らせてくれませんか」と伝えるなどです。
② 選択の自由
どちらを選ばれてもいいように、自分のやってほしいものを2つ並べる方法です。
例えば、飲食店のホールスタッフが、お客様にデザートを注文してほしいとき、「デザートにフルーツタルトとマンゴーアイスがあります。どちらかいかがですか。」というようなものです。
2つ並べられると選びたくなるのが人間、さらに相手が自ら選ぶから、押し付けられている感も少なくなるのがメリットです。
③ 認められたい欲
人は、認められるとそれに応えたくなるという本能があり、そこをくすぐる方法です。これは、ビジネスシーンでは最強といえます。
例えば、残業をお願いしたい後輩に、「あなたの企画書は刺さるんです。お願いできないでしょうか。」というように、相手の能力を褒めた上で、お願いをするようなものです。相手は認められているので、面倒なことでもやってみようかなという気持ちが芽生えます。
④ あなた限定
もともと、人間は「あなた限定」に弱いものです。「あなたが特別な存在だ」と伝えると、人は動きます。名前をいうと、さらに効果的です。
例えば、優先順位の低い会議で「他の人が来なくても、あなただけには参加してほしいんです」といったようなものです。
⑤ チームワーク化
人は、集団行動が好きな生き物です。誰かがやるなら、自分もやってもいいかなと考えます。相手が面倒くさいと思っているシーンで効果を発揮します。
例えば、「飲み会の幹事をやって」とお願いすると、面倒だと思われますが、「一緒に幹事をしよう」だと、引き受けてもいいかなと感じてしまうものです。
⑥ 嫌いなこと回避
相手の嫌いなことからつくる方法です。「こちらの選択肢は嫌いでしょ、だからそうならない選択をしましょう」という切り口です。強い分、押し付けがましくなるので注意が必要で、最終手段として、使うのは一回だけにしましょう。
例えば、公園に「芝生に入らないで」と立て札があっても人は入ります。しかし「芝生に入ると農薬の匂いがつきます」だと、農薬の匂いがつくのは嫌なので、芝生に入りたくありません。相手がもっと嫌だと思う選択肢の代替案として提示する方法です。
⑦ 感謝
人は「ありがとう」と感謝を伝えられると、ノーとは言いにくいのです。
例えば、「これからも教えてください」だけであれば、あなたのメリットしかありません。しかし、「これからも教えてください、ありがとうございます。」であれば、「ノー」とは言いづらいものです。
ポイントは、「ありがとう」というタイミング。お願いをした瞬間に、相手が何もしていない状態で「ありがとう」までと言ってしまうのです。
「強いコトバ」を作る技術
「ノー」を「イエス」に変える伝え方の技術と同様に、魅力的な言葉にも、法則があります。ここでは、それぞれの方法を紹介します。
① サプライズ法
驚きを演出して、言葉を強くする方法です。驚きのある言葉を入れるだけで、印象が強くなります。
例:そうだ、京都に行こう。
あ、小林製薬。
サプライズワード表
「あ、」「わっ、」「そうだ、」「びっくり、」「げげげ、」「ほほー、」「そうなんだ!」「おおっ、」「え!?」「うわ、」「驚いた、」「ほんと!?」「信じられない、」「(語尾に)!」
② ギャップ法
スタート地点を下げ、言いたい意味に、ギャップを作ってあげる方法です。
例:嫌いになりたいのに、あなたが好き
あえて、「好き」と反対のワード「嫌い」を使ったことにより、強いギャップが生まれます。すると「好き」が強く伝わるのです。
ギャップ法の作り方
- 最も伝えたい言葉を決める
- 伝えたい言葉の正反対のワードを考え、前半に入れる
- 前半と後半がつながるよう、自由に言葉を埋める
③ 赤裸々法
赤裸々法は、自分の肌感覚に素直になる方法です。言葉に、体温を感じさせ、時に詩人のようなニュアンスを作り出すことのできるのです。
例:くちびるが震えてる、あなたが好き
赤裸々方は、普段意識していない、自分の感覚に向き合います。人間として、それが当たり前だから、今まで言葉にしなかったものを、あえて言葉にするのです。「あなたが好き」と思っているときの、体の反応をそのまま言葉にするのです。
「あなたが好き」と思うとき
・顔は「赤くなる」
・のどは「カラカラになる」
・唇は「震える」
といったようなものです。これを、「あなたが好き」に繋げるのです。
赤裸々法 質問表
- 顔は?「顔が真っ赤、〜」
- のどは?「のどがカラカラ、〜」
- 唇は?「唇が震えている、〜」
- 息づかいは?「息ができない、〜」
- 目は?「目が合わせられない、〜」
- うぶ毛は?「すべてのうぶ毛が立っている、〜」
- 肌は?「汗ばんでいる、〜」
- 頭の中は?「頭の中が真っ白、〜」
- 手のひらは?「手にじんわり汗が、〜」
- 指の先は?「指先がじんじんする、〜」
- 血のめぐりは?「自分の鼓動がわかる、〜」
④ リピート法
伝えたい言葉をリピートするだけです。それにより、相手の記憶に刷り込むことができます。
例:逃げちゃダメだ 逃げちゃダメだ(新世紀エヴァンゲリオン、碇シンジ)
人民の、人民による、人民のための政治(エイブラハム・リンカーン)
リピート法の作り方
- 伝えたい言葉を決める
- くり返す
⑤ クライマックス法
とぎれかけた相手の集中力を戻し、あなたの話をもう一度食いつかせることができる方法です。
例:「これだけは覚えてほしいのですが、〜」
クライマックス法の作り方
- いきなり「伝えたい話」をしない
- クライマックスワードから始める
クライマックスワードは、以下のようなものがあります。
「ここだけの話ですが、〜」
「他では話さないのですが、〜」
「誰にも言わないでくださいね、〜」
まとめ
仕事で、もっとうまく人を動かしたいと思っている方は、必読です。電子書籍でもありますので、どこでも手軽に読めるのも魅力。
もちろん、紙の本もあります。
活字で読みたいという方は、こちらで。漫画版にはない、コラムなどが掲載されています。昔読んだが、内容をもう覚えていない、という方も、改めて読むことで、昔の知識が蘇るかもしれません。
伝え方が9割 【「伝え方が9割 2」試読版付き】【電子書籍】[ 佐々木圭一 ]
紙の本はこちら。
読んだ直後から活かせる、伝え方の技術。漫画で非常に読みやすいので、通勤途中にでも、いかがでしょうか。